天の川のほとりで星空散歩
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パックマン星雲(NGC281)- SHOなら月齢19にも負けない 26/10/12 23:35
Babyelf1
9月30日も月が大きく(月齢19)、星雲を撮影する条件として厳しことは分かっていました。機材をくみ上げ撮影開始する頃には、東の空から月が昇り始め朝まで出たままです。それでも、空気は澄み切っていて、透明度は高い。「これなら、きっといける」そう思わせる静かな夜でした。

今回のターゲットは、パックマン星雲。カシオペヤ座に位置する散光星雲で、若い星々が生まれる領域です。中心部の青い輝きはOIIIの強い発光を示し、外縁の赤橙色はSIIとHαの輝線が重なった部分。まるで宇宙の中に浮かぶ“光の生き物”のような姿を見せてくれます。大きく広がるOⅢ領域を引き出したくOⅢを倍の時間露光しています。

パックマン星雲(NGC281)- SHOなら月齢19にも負け…

パックマン星雲と月の離角は、前日のクワガタ星雲の(∠55度)よりも狭い∠45度。月の影響が、かなり大きいとは思いますが、4.5nmのSHOフィルター効果で予想以上に薄い部分まで引き出すことが出来たと思います。


■撮影日と条件
撮影日:2026年9月30日
撮影地:鳥取県大山町

月齢:19(明るい月の影響あり)

鏡筒:ε130D
 カメラ:ASI2600MM Pro
 フィルター:SII・Hα・OIII(Antlia 4.5nm)
 架台:AM7
 ガイド:ASI220MM + UV/IRカットフィルター

露光条件: 400分(Gain100)
 SⅡ 300秒 × 20枚
 Hα 300秒 × 20枚
 OⅢ 300秒 × 40枚


これまで月が大きい時は、撮影を避けてましたが、SHOならいけますね。



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月明かりの中で撮ったクワガタ星雲 ― M52・Sh2-157・NGC7635 26/10/03 21:18
Babyelf
今回は、カシオペヤ座の近くにあるク「ワガタ星雲(Sh2-157)」をメインに、「M52」、「シャボン玉星雲(NGC7635)」を一緒に撮影してみました。

◆月明かりの中での撮影
実はこの日は、かなり月が大きく、月齢18。
月明かりの中で撮ったクワガタ星雲 ― M52・Sh2-157…
しかも、撮影対象と月との離角は約55度と、星雲撮影にはかなり月に近い条件です。
「こんな条件で、どこまで写るかな?」
と思いながらも、今回はANTLIA SHO 4.5nm EDGEを使ったナローバンド撮影です。
狭帯域フィルターの効果に期待して撮影を開始しました。
結果は、思っていたよりも星雲の構造を捉えることができました。
月明かりの影響をかなり受ける条件でしたが、ナローバンドフィルターのおかげで、淡い星雲もしっかり写ってくれたようです。
月明かりの中で撮ったクワガタ星雲 ― M52・Sh2-157…
今回のメインは、右下に大きく広がっている「クワガタ星雲(Sh2-157)」です。
よく見ると、二本の大きな角のような構造が伸びています。
その形を眺めていると、確かに「クワガタ」と呼ばれる理由が分かります。
角の間には「目」のように見える部分もあり、その上には触覚のような細長い構造も見えます。
淡い星雲なので、月明かりの中でどこまで出せるか心配でしたが、なんとか特徴的な姿を写すことができました。

そして、画面中央より少し左側に小さく写っているのが「シャボン玉星雲(NGC7635)」です。
今回はクワガタ星雲を中心に画像処理していることもあり、少し分かりにくいかもしれませんが、よく見ると小さな円形の構造を見ることができます。
さらに、画面左上に集まっている星の集団がM52です。

月明かりの中で撮ったクワガタ星雲 ― M52・Sh2-157…
シャボン玉星雲とM52辺りを拡大。シャボン玉に合わせて少し調整した画像です。

 ※星雲の詳しい情報については、こちらを参考にして下さい。

◆画像処理に苦戦
撮れるには撮れたのですが、撮影直後の画像を見てみると、やはり月の影響はかなり残っていました。
特にベースとなる背景が少し明るく、傾斜もあり、場所によって色も変化しています。
そのため全体的にコントラストが出難く、暗い階調を強調しようとするとノイズも目立ってきました。

今回は、ここからの画像処理にもかなり苦労しました。SHO画像なので、SIIを赤、Haを黄金色、OIIIを青として、いわゆるハッブルパレットらしい色合いを目指します。最初、Seti Astro Suite ProのNarrowband Normalizationや、SirilのPixelMathで色を整えようとしました。ところが、月明かりによる大きな輝度・色の傾斜もあって、思うように色を合わせることができません。フラット補正が十分に効かず、強すぎると、星雲が破綻。ある程度のところで諦めてAffinity PhotoのカラーバランスやHSRで色を修正しようとすると、今度はノイズが目立ってきたり……。

そこで今回は、色や階調の処理は最初からAffinity Photoに任せることにします。
Compositしたベース画像をSII、Ha、OIIIの3枚の白黒画像に分離してAffinity Photoのレイヤーに割り当てます。
それぞれのレイヤーに直接リカラーで色を付けます。SIIを赤、Haを黄金色、OIIIを青として、それぞれの画像が持っている濃淡を、そのまま色に置き換えていく方法です。今回は、この方法の方が自分のイメージする色に近づけやすく、最終的にはこちらを採用しました。まだまだ試行錯誤中ですが、SHO画像の色作りはなかなか奥が深いですね。

◆ちなみに……
撮影した月は、Google Pixel 10 Proで手持ち撮影したものです。
スマートフォンを月に向けて撮っただけなのですが……
最近のAI、すごいですね。これ、本当に撮影画像から復元したものなんでしょうか?
もしかすると、インターネットから……(笑)。
今回は、月明かりという星雲撮影にはあまり嬉しくない条件でしたが、狭帯域フィルターのおかげで思った以上に撮影することができました。

画像処理ではかなり悩みましたが、今回もまた一つ、SHO画像の色作りについて勉強になった撮影でした。



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撮影中に電源トラブル発生。シガレットプラグが溶けた! 26/09/29 21:48
Babyelf
最近、電源トラブル発生しました。

現在の撮影システムは、AM7+ASIAIR+ASI585MC Proです。

電源には自作の電源BOX(古いATXパソコンの電源流用)を使っていますが、いつものように撮影していると、ときどきASIAIRから「低電圧」のアラームが鳴るようになったのです。

自作の電源BOXの12Vの実際の出力は11.8Vほどと少し低め。でも、これくらいなら問題ないだろうと思っていました。ところが、ASIAIRに表示される電圧を見ると、なんと10.8V程度まで下がっています。

「1V近くも電圧が下がっているのは、ちょっと大きいな……」

そこで、まず疑ったのが配線やコネクターの接触抵抗です。接続は、[電源BOX] → [AM7] → [ASIAIR] → [ASI585MC Pro]というカスケード接続。複数のコネクターやケーブルを経由しているので、そこで電圧が落ちているのではないかと考えました。そこで試しに、電源BOXからASIAIRへ直接電源を接続してみました。すると、ASIAIRの表示電圧は0.2Vほど改善し、低電圧アラームも出なくなりました。

「やっぱり配線か接点の問題かな?」

と思い、とりあえずそのまま様子を見ることにしました。ところが、その後に思わぬトラブルが発生しました。

◆シガープラグが溶けてた!
あるとき、自作電源BOXの12V出力に使っていたシガレットソケットのプラグを見てみると……
なんと、プラグの一部が熱で溶けて曲がっているではありませんか!

撮影中に電源トラブル発生。シガレットプラグが溶けた!

これはさすがにびっくり。しかも、シガープラグに入れていた10Aのヒューズは切れていません。「10Aのヒューズが入っているのに、どうしてプラグが先に溶けるんだ?」と思って、プラグを分解してみました。

撮影中に電源トラブル発生。シガレットプラグが溶けた!
すると、ヒューズそのものではなく、ヒューズに接触しているバネの部分、少し錆びててちょっと反発が弱い気もします。断定できませんが、この部分の接触抵抗が大きくなり、そこで局所的に発熱した可能性が高そうです。つまり、10Aのヒューズが切れるほどの大きな電流が流れたわけではない一方で、接触抵抗のある部分だけが発熱して、ヒューズより先にプラグが溶けてしまった可能性が高いということです。

ヒューズは過電流から配線や機器を守るものなので、こうした接触抵抗による局所的な発熱までは防いでくれません。そう考えると、ちょっと怖いですね~。正直、ヒューズが先に切れてくれた方が安心だったのにな~と思いました。


◆対策

そこで、電源BOXの12V出力部分(シガレットソケット)を見直すことにしました。今回使ったのは、ラジコンやドローン、小型のソーラーパネル等で使われてる 『 XT60コネクター(黄色いコネクター)』です。これは、接触抵抗が小さく大電流に耐えられるものです。念のため AM7に繋がる配線も12AWGという太くて、赤道儀を動かした時に外れ難い柔らかいケーブルに変更しました。

撮影中に電源トラブル発生。シガレットプラグが溶けた!

交換後に電圧を確認してみると、ASIAIRで表示される電圧は11.4〜11.7V。以前は10.8Vまで下がってたのでかなり改善。今のところ低電圧アラームも出ていません。

◆ 思っていた以上に電流が流れている?

以前、EM200+一眼レフ で撮影していたころには、電源について特に気にしたことはなかったのですが、現在は、AM7+ASIAIR+冷却CMOSカメラ、CAA、EAF、ヒーター、ファンとか電流が大きくなってるんですね~。

ポータブル電源などでは、12Vの大電流出力は、大抵シガレットソケットしかないので シガープラグを使わざるを得ませんが、今回のようなことを考えると、新しくて プラグやソケットの接点のしっかりしたものを使った方が良さそうですね。天体撮影では、望遠鏡やカメラ、赤道儀などに目が行きがちですが、電源まわりも撮影システムの大切な一部なんだな、と改めて感じた出来事でした。

皆さんも、冷却CMOSカメラなど消費電力の大きな機材を使っている場合は、一度電源ケーブルやコネクターが熱くなっていないか、確認してみてはいかがでしょうか。



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宇宙に浮かぶ「青い目」——らせん星雲が魅せる神秘のグラデーション 26/09/21 07:33
Babyelf
最近はずーっと曇り続きで、なかなか星の撮影ができません。
「今日(9月16日)も雨降ってるしな~。」
と思いながらも、念のためGPVを確認してみると、月が沈む22時頃から鳥取県西部だけ朝まで晴れ予報になっているじゃありませんか。

やっべ。

のんびりダラダラしていた自分に気合を入れ直して、いつもの大山・添谷展望駐車場へ出陣です。到着したのは20時頃。空一面に雲があります。それでもGPVを信じて機材を出し、コーヒーを飲みながら待っていると、少しずつ雲の切れ間が見え始めました。

極軸を合わせ、撮影できるその時を静かに待ちます。そして22時。車から出て空を見上げると、頭上にはきれいな天の川が見えています。

いや~、久々の晴天。早速撮影を開始します。

今回の対象は、みずがめ座にある「らせん星雲(NGC 7293)」です。
宇宙に浮かぶ「青い目」——らせん星雲が魅せる神秘のグラデーシ…

最近の天文機材で撮影すると、「らせん」というより、こちらをじっと見つめている美しく澄んだ青い目のように写りますね。
目の中には細かな模様も浮かび上がっていて、じーっと見ていると、ちょっと怖いくらいです。

こちらは、中心部を拡大したものです。よく見ると目の虹彩のような独特の模様も見えます。
海外では、その姿から「神の目(The Eye of God)」とも呼ばれています。また、映画『ロード・オブ・ザ・リング』に登場するサウロスの目に似ている、と言われることもあります。
宇宙に浮かぶ「青い目」——らせん星雲が魅せる神秘のグラデーシ…

この美しい色のグラデーションは、恒星が晩年に放出したガスが、中心に残された高温の恒星の光を受けて輝いているものです。
青、緑、赤へと変化するその色彩は、まるで宇宙に浮かぶ巨大な瞳。
こうして眺めていると、恒星がその一生の最後に残した姿とは思えないほど、神秘的ですね。


〈撮影機材等〉
  カメラ ASI585mc Pro
  望遠鏡 ε130D
  赤道儀 AM7

撮影条件や星の位置などの情報は、こちらのページを参考にしてください。



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M17とIC4701 ― 明るい主役と淡い脇役の共演 26/09/19 05:50
Babyelf
8月6日と7日に撮影したのは、いて座のM17(オメガ星雲/白鳥星雲)と、そのすぐ隣にあるIC4701。
M17はとても明るく形もよく知られた星雲ですが、実はすぐ近くに淡いガスの広がりを持つIC4701が潜んでいます。

M17とIC4701 ― 明るい主役と淡い脇役の共演

今回はそのIC4701を「ちゃんと見えるように」仕上げてみようと挑戦してみました。

M17に合わせて処理するとIC4701が埋もれてしまい、逆にIC4701を出そうとするとM17が明るくなりすぎる…。
このバランスが難しくて、輝度マスクでM17の中心部を少し抑えながら、周囲の淡いガスを丁寧に浮かび上がらせました。
SHO合成ではSII・Hα・OIIIの強弱で色合いが複雑に変化するので、淡い星雲の表情を探るのが本当に面白いですね。

今回は、いつもなら主役のM17の陰に隠れてしまうIC4701にもスポットライトを当てた一枚です。
青と赤のコントラストが宇宙の奥行きを感じさせてくれます。




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