天の川のほとりで星空散歩
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M30(球状星団)のアイコン

M30 (球状星団)


1 概要
やぎ座の南端、秋の夜空の低い限界線付近に位置する、約26,000光年の距離にある非常に個性的でダイナミックな球状星団です。

規模そのものはメシエ天体の球状星団としては小ぶりですが、その中心部は言葉を失うほどの超高密度を誇ります。この星団は、自身の重力によって中心部が限界を超えて収縮し、星々が超満員電車のように激しくひしめき合う「コア崩壊(中心核崩壊)」を起こした天体として天文学的に非常に有名です。狭い中心核では星同士の衝突や合体が頻発しており、その結果として若返ったミステリアスな青い巨星「ブルーストラグラー(青色とはぐれ星)」が密集しています。小さく鋭いその輝きは、まさに宇宙の重力が生み出した究極の凝縮美と言えます。
項目M030
別名NGC7099
分類球状星団
星座やぎ (Cap)
等級7.5
視直径11'
距離(光年)24800
赤経 / 赤緯21h 40.4m / -23° 11’


​2 位置と探しかた
やぎ座が形作る大きな逆三角形(あるいは逆真ん丸な笑顔の口元)の、東側の端にあたる3等星「デネブ・アルゲディ(δ星)」を基準に探します。

デネブ・アルゲディから真南(下方向)へ約6度、あるいはすぐ右隣にある4等星「ナシラ(γ星)」のさらに南側の暗い空間へと視線を下ろしていくと、やぎ座の境界線ギリギリの場所に静かに佇んでいます。南中高度が低いため、南の地平線がしっかりと開けた開口部の広いロケーションを確保することが導入の絶対条件となります。



​3 シーズンとアドバイス
見頃は、夏の終わりから秋。この時期、やぎ座が南の空で最も高度を上げる南中時の一瞬が最大のチャンスです。


★ 見易いシーズンは、8から10月頃

写真に最適 0時に南中 8月中旬
観望に最適 に南中
 

★ 今夜の観測タイミング

観測夜
観測地 ( 緯度 35.69,経度 139.69 )
 
18 20 22 0 2 4 6
天文薄明
撮影ベスト
(40°-)
  推奨
(20°~31.1°)
  可能
(5°~31.1°)
20:06 03:25
撮影不可
21:08
02:28 5時間20分
20:06
03:25 7時間19分
  ◆南中高度 31.1° ,南中時刻 23:49
月齢 2
(4%)
↘月の入 19:48



低空を撮影するため、大気の揺らぎによって星像が甘くなりやすいのが最大の弱点です。総露出時間を多めに確保することはもちろん、短時間露出を大量に重ねるラッキーイメージングの手法を応用して星像の尖ったコマを厳選し、画像処理時に背景の微星の縮小処理を丁寧に行うことで、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が明かしたコア崩壊の凄まじい質量感を、自らの手でドラマチックに描き出すことができます。

​4 観測の難易度
全光度は7.2等と比較的明るいですが、サイズが小さく南の低空を這うように移動するため、大気の影響を克服しながら星の完全な分解を狙う「大気シーイングへの挑戦」となるベテラン好みの天体です。

​眼視での見え方:
光害のない環境であれば、双眼鏡でも普通の恒星がわずかに滲んだような、芯のあるシャープな光芒として確認することができます。中心部への星の集中度が極めて高いため、口径10cm以下の小型望遠鏡では全体が滑らかな星雲状に見えるにとどまり、星の一粒ずつを分離するのは困難です。しかし、口径20cmクラス以上の望遠鏡を投入し、大気がピタッと安定する一瞬のチャンスを捉えて高倍率まで攻め込むと、中心部のまばゆいコアの脇から、北側と東側に向かって星々が触手のように非対称にパラパラと伸びているユニークな造形美を観察できるようになります。

​5 天体撮影・画像処理のポイント
写真向けの対象としては、低空特有の大気の瞬き(シーイング)によって星像が肥大化しやすいため、いかにシャープな点像を維持し、潰れやすい超高密度のコアを解きほぐすかというテクニカルな処理が要求される好対象です。

​王道の構図:
1000mmから2000mmクラスの超長焦点望遠鏡(またはレデューサーを外したシュミットカセグレンなど)を使い、漆黒の宇宙背景の中にこの小さく鋭い白銀のクラスターを毅然と配する大クローズアップ構図が王道です。視野のなかに周囲の寂しい星野を適度に残すことで、M30の中心核の圧倒的な密集度と緊張感が一際引き立つ構図に仕上がります。

​Glossy(艶)な画像処理の極意:
M30はコア崩壊を起こしているため、一般的な球状星団よりもさらに中心部が一瞬で真っ白に露出オーバーになりがちです。画像処理の際は、短時間露出のライトフレームを緻密にブレンドするHDR処理を徹底し、中心星群の個々の輝きを保ちながら、外縁へと解けていくグラデーションを滑らかに表現するのがポイントです。

​日本の夏から秋にかけての南天低空は、街明かりの光害や湿気による色カブリが最も深刻なエリアですが、これを完璧なフラット処理と背景抽出で排除します。星団の核に潜むブルーストラグラーたちのサファイアのような冷徹なブルーと、周辺を支える老いた星々の琥珀色(アンバー)のカラーコントラストを鮮烈に引き出すことで、微星の一粒一粒が黒いベルベットの上に凝縮されたプラチナの雫のような、瑞々しく艶やかなクラスター(光沢)を放ち、地味な印象を完全に覆す、驚くほどの透明感と奥行きを持った芸術的な作品へと仕上がります。
* Supported by ChatGPT and Gemini.

★ 近くの天体



■ 撮影記録




撮影日2014-10-21
カメラNikon D5000&赤外改造
光学系 FC100&レデューサー
Filter:LPR-N
焦点距離
F値
590mm
F6.6
架台 AZ-EQ6GT
PHD Guiding
撮影条件 ISO1600 撮影時間240秒 ×5枚
撮影場所伊豆 天城高原
画像処理ステライメージ6.5
低空で薄雲の中、PHD Guidingも安定しない状態で星が広がってしまいました。



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