私の住む山陰では、梅雨が明けても薄雲の日が続き、なかなか天体撮影のチャンスに恵まれませんでした。
そんな中、GPVを見ていると「13日は雲の切れ間がある予報!」。これは行くしかないということで、いつもの撮影場所へ出撃してきました。

夜9時頃までは多少薄雲が広がっていましたが、その後は徐々に空が開け、天文薄明が始まる午前3時頃までほぼ快晴。風も穏やかで、久しぶりに落ち着いて撮影を楽しむことができました。


■もう一つのミッション:EM200をNINAでガイド化する

今回の撮影には、もう一つ大きな目的がありました。最近は地元の子供たちに星を見せる時にしか使っていなかった EM200(K-astec MTS-3SDIモーター付)をNINAと接続し、PHD2でガイドできるようにすることです。赤道儀を Advanced LX200 としてPC(NINA)に認識させることで、ようやく D810Aでディザリングガイドが可能に なりました。自動導入は少し難しいかもしれませんが、ディザリングさえできれば実用上は十分。ただ、AM7+ASI Air に慣れてしまった身としては、ケーブルの多さがちょっと面倒ですね(笑)。

■135mmで捉えた「はくちょう座の胸から尾まで」

さっそく、この組み合わせで撮影開始。今回のターゲットは 北アメリカ星雲からサドル周辺、そしてクレセント星雲へと続く領域。Sigma Art 135mm なら、この広大なエリアを一枚に収めることができます。画面左上には北アメリカ星雲とペリカン星雲。その間を走る暗黒帯を右下へたどっていくと、サドル周辺(NGC6914・IC1318・IC1311)の複雑な散光星雲が広がっています。さらにその先、画面右下には クレセント星雲(NGC6888) が小さく顔を出しています。実は、クレセント星雲が写っていることに気づいたのは画像処理の途中でした(笑)。そしてもう一つ驚いたのが、北アメリカ星雲とペリカン星雲の間からサドルへ伸びる暗黒星雲。よく見ると 大きなリング状の構造になっているんですね。知らなかった~。
北アメリカ星雲からサドル、そしてクレセント星雲へ― 7月13…


■北アメリカ星雲とペリカン星雲の切り出し(詳細は、画像クリック)
細かなディテールまでは出ませんが、135mmでも十分に特徴を捉えられますね。
北アメリカ星雲からサドル、そしてクレセント星雲へ― 7月13…

■サドル周辺の切り出し(詳細は、画像クリック)
白鳥座の胸あたり、十字の中心星サドル周辺。この領域はHαが非常に強く、複雑な模様が入り組んだ美しい散光星雲の宝庫です。
北アメリカ星雲からサドル、そしてクレセント星雲へ― 7月13…

※肉眼では見えない「星雲の宝庫」
 これらの星雲は肉眼ではほとんど見えませんが、写真で見ると本当に賑やかで、構造が入り組んだ星雲の宝庫です。はくちょう座の胸から尾まで、これほど多彩な星雲が連なっているのは圧巻ですね。

■撮影データ
撮影日:2026-07-13
撮影場所:鳥取県大山町
カメラ:Nikon D810A
レンズ:Sigma Art 135mm F1.8(F2.8に絞り)フィルター無
架台:EM200(K-ASTEC改造)+PHD2
撮影条件:ISO1600 / 180秒×50枚(総露光150分)
画像処理
 Siril
  ・Stack
  ・Starless
  ・統計ストレッチ
 Seti Astro Suite Pro
  ・GraXpert(Remove Gradient Amt0.1)
  ・星雲と背景:GraXpert(Denoise Amt0.7)
  ・明るい構造部:CosmicClarity(PSF3, Amt0.3)
 Affinity Photo
  レイヤー統合と調整
   ・星部
   ・星雲(輝部):輝度マスク、彩度、カラーバランス、HSLシフト
   ・背景宇宙(暗部)


PS. この時期の最大の敵は「暑さ」と「虫」
 私の車はディーゼルなので、夜中にエンジンをかけっぱなしにすると近所迷惑になりそう。そこで車の窓に網戸を付けて全開にし、扇風機を2台回してなんとかしのいでいました。それでも汗は止まりません。虫対策も万全のつもりで、虫除けスプレー、アルコール+ハッカ油スプレー、車内ではベープ稼働とフル装備でしたが、帰宅後にあちこちが痒い…。やられました。ブヨ(ブト)に6か所ほど刺されていました。恐るべし、夏の撮影地(笑)。