天の川のほとりで星空散歩
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M17とIC4701 ― 明るい主役と淡い脇役の共演 26/09/04 22:52
Babyelf
8月6日と7日に撮影したのは、いて座のM17(オメガ星雲/白鳥星雲)と、そのすぐ隣にあるIC4701。
M17はとても明るく形もよく知られた星雲ですが、実はすぐ近くに淡いガスの広がりを持つIC4701が潜んでいます。

M17とIC4701 ― 明るい主役と淡い脇役の共演

今回はそのIC4701を「ちゃんと見えるように」仕上げてみようと挑戦してみました。

M17に合わせて処理するとIC4701が埋もれてしまい、逆にIC4701を出そうとするとM17が明るくなりすぎる…。
このバランスが難しくて、輝度マスクでM17の中心部を少し抑えながら、周囲の淡いガスを丁寧に浮かび上がらせました。
SHO合成ではSII・Hα・OIIIの強弱で色合いが複雑に変化するので、淡い星雲の表情を探るのが本当に面白いですね。

今回は、いつもなら主役のM17の陰に隠れてしまうIC4701にもスポットライトを当てた一枚です。
青と赤のコントラストが宇宙の奥行きを感じさせてくれます。




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クレセント星雲を再処理したら「シャボン玉」が写っていた話 26/08/31 16:19
Babyelf1
先日撮影したクレセント星雲ですが、どうも処理の仕方を間違えていたようで、改めて見直しをしました。

Seti Astro Suite Pro では SHO画像の色割り当てに Narrowband Normalization を使いますが、その際に SCNR をデフォルトのまま ON にしていたのが問題でした。
これによって Green(Hα)成分の明るい部分が削られてしまい、立体感のない画像になっていたようです。

ということで、再処理を開始したのがこちら。

クレセント星雲を再処理したら「シャボン玉」が写っていた話

処理方法は特に変わったことはしていませんが、途中で ChatGPT に画像の改善案を相談しながら微調整しました。
調整後、再度相談すると、まさかのコメントが。

「画質より、クレセント星雲の左下に丸いシミのようなものが写っているのが気になります」

えっ、ゴミ?
よ〜く見ると確かに丸いシミみたいなものが写っている。
CMOSカメラかフィルターの上にゴミがあったのかなと思い、念のためカメラを掃除しましたが……ゴミは無い。

そこで今度は Copilot に「原因は何が考えられる?」と聞いたら、返ってきた答えがこれ。

「これはソープバブル星雲(PN G75.5+1.7 / Ju 1)です」

……ChatGPTに騙された〜。
どうりでカシオペア座のバブル星雲っぽい見た目だったわけです。

調べてみると、この ソープバブル星雲の発見は2008年。
発見者は Dave Jurasevich というアマチュア天文家で、ナローバンドで OIII 撮影が一般的になったことで見つかったとのこと。
つい最近の天体だったんですね。

まさか自分の画像に「新しめの惑星状星雲」がしっかり写っていたとは思わず、ちょっと得した気分です。


撮影条件等は、こちらのページを参照ください。



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わし星雲だけじゃない。創造の柱は他にもある? 26/08/12 06:04
Babyelf
今回撮影したのは、こぎつね座にある散光星雲 SH2-86。
コンパクトながら、ものすごいエネルギーと造形美を秘めたHII領域(散光星雲)です。散光星雲の中にハッブル宇宙望遠鏡の写真で有名なM16(わし星雲)の「創造の柱」を思わせるような、細長く伸びた柱状の暗黒星雲が見えます。こういう構造って、宇宙のダイナミックさを感じられて本当にワクワクします。

わし星雲だけじゃない。創造の柱は他にもある?

撮影したのは7月23日。少し靄がかかった夜で、星がぼやけ気味。
そのせいでSHO合成時、星の周りに変な色がついてしまい、思うような仕上がりにならず……。
しばらく放置していたんですが、「このままお蔵入りはもったいない!」と思い直して再処理開始。

StarNet++で星を分離して、ぼかした星画像からマスクを作成。
そのマスクを使って星の周りのモヤのある部分の色と明るさを逆補正。
パラメータをいじりながら試行錯誤して、ようやく公開できるところまで持っていけました。

まだ気になる部分もありますが、今回は“実力相応”ということで公開します。
柱のように伸びる暗黒部が、まるで宇宙が新しい星を生み出す瞬間を描いているようで、見ているだけで想像が広がります。

星雲の詳細や撮影条件等はこちらを参照ください。



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クレセント星雲と広がる分子雲 26/08/05 09:13
Babyelf
先日掲載した「北アメリカ星雲からサドル、クレセント星雲」では、135mmの広い画角で、はくちょう座に広がる壮大な星雲群をご紹介しました。その写真の右下に小さく写っていたのが、今回の主役 クレセント星雲(NGC6888) です。

広視野では一つの小さな星雲だったクレセントも、近づいてみると、その周囲には驚くほど広大な宇宙が広がっています。

クレセント星雲と広がる分子雲

クレセント星雲といえば、明るく輝く三日月形の星雲を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、その本当の魅力は、星雲本体だけではありません。Hαで輝くオレンジ色のガスを、淡い青いOⅢのベールがふんわりと包み込み、そのさらに外側には複雑に入り組んだガスや分子雲がどこまでも広がっています。

今回は、その淡いベールや背景の分子雲まで描きたくて、OⅢの露光時間をHαやSⅡより少し長めに確保してみました。派手な色合いを目指すのではなく、柔らかな広がりや奥行き、そしてクレセント星雲が広大な宇宙の一部であることを感じられる一枚を目標に仕上げています。

こちらは、クレセント星雲を拡大したものです。
クレセント星雲と広がる分子雲


クレセント星雲は、中心にあるウォルフ・ライエ星(WR136)が吹き出す猛烈な恒星風によって形作られた星雲です。現在の恒星風が、過去に放出されたガスへ衝突することで衝撃波が生まれ、複雑なフィラメントや殻状の構造が作られています。写真に写る繊細な筋模様は、まさにその宇宙規模の衝撃波が刻んだ痕跡なのです。

広視野では「はくちょう座に浮かぶ小さな星雲」の一つだったクレセント星雲も、こうして近づいてみると、その周囲には想像以上に豊かな宇宙が広がっていました。同じ夜に撮影した広視野写真と見比べていただくと、宇宙のスケールの大きさをより感じていただけるのではないでしょうか。


クレセント星雲の見える場所、時期、詳細情報等については、こちらのページを参照ください。


にしても最近のCMOSカメラ、本当によく写ります。昔は「三日月」に見えることでクレセント星雲と呼ばれてましたが、ここまで細部が写ると、もはやクルミなのか、脳みそなのか……(笑)。皆さんには、何に見えますか?



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天体詳細ページに「グラフィカル撮影タイムライン」を追加しました 26/07/23 10:59
Babyelf1
天体の詳細情報のページにある、撮影好機の情報、これまでは文字だけで表示してました。その為、内容を理解するのにちょっと大変でしたが、タイムライン形式にすることで、「いつ・どれくらい撮影できるのか」が一目で分かるようになりました。天体を綺麗に撮影するために大切なのは、シンプルに言えば

 1. 真っ暗な時間帯であること
 2. 十分な高度まで昇っていること
 3. 月明かりの影響を受けないこと

この3つだと思います。今回追加したタイムラインは、これらを一目で確認できるように作成しました。

これは、今日 東京で見える夏の人気天体 M16(わし星雲) の例です。
天体詳細ページに「グラフィカル撮影タイムライン」を追加しまし…

1. 天文薄明(真っ暗な時間帯)
 薄明終了と薄明開始の位置を縦線で表示しています。この間が、本格的な天体撮影に適した「真っ暗な時間帯」です。「まだ撮れそう」と思っていても、実際には空が思ったより明るく、撮った画像を捨てることも少なくありません。撮影計画を立てる際は、この天文薄明の時間を意識すると安心です。

2. 撮影条件を3段階で表示
 撮影可能時間を高度で分類。3段階で表示しています。

  ・ベスト(高度40°以上)
  ・推奨(高度20°以上)
  ・挑戦(高度5°以上)

 もちろん、いつも高度40°以上で撮影できるとは限りません。「今日は40°以上を1時間確保できそう」「前半だけでも20°以上なら十分撮れそう」といったように、その日の都合に合わせて撮影計画を立てやすくなります。

3. 月の影響もひと目で確認
 撮影中「月が、思ったより早く昇ってきた…」という経験はありませんか?天体の高度ばかり気にしていると、意外と月明かりを見落としがちです。そこで、月齢、照射率、月の出、入り、南中 も合わせて表示するようにしました。さらに、月齢だけでなく実際の月の形もイラストで表示しています。照射率や月の出・月の入り時刻と合わせて見ることで、その夜の月明かりの影響をよりイメージしやすくなると思います。

■ちょっと細かい部分にもこだわってみました。

 ・観測地は、自由に変更。PCやスマホに保存されます。
 ・◆マークで天体と月の南中位置を表示。
   天体がどのあたりに有るか一目で分かります。
 ・天文薄明のグラデーションを実際の薄明に合わせてます。

■撮影日の月齢とか薄明タイミングを調べる為だけに使ってもらうのも良いかも。意外に調べるのって面倒臭くないですか?)

■観望に適したシーズンは、これまでも表示していましたが、少し内容を見直しました。

天体詳細ページに「グラフィカル撮影タイムライン」を追加しまし…
従来、観望時間を20時で固定してましたが、自由に変更できるようにしました。


元々、このHPは、自分が撮影した写真の記録と今後何を撮影するかを考える為に作り始めたものです。
半分は、自分の為に作ったものですが、皆さんの撮影や観望の計画立案に役立てていただければ嬉しいです。



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